「自然のものは劣化があり耐久性が心配」というイメージがあるかもしれませんが、実際には、耐久性に優れているのが自然素材の家。例えば、木材を接着剤で貼り合わせた集成材の場合、接着剤の耐久性がどの程度か不明な部分もありますが、無垢の木材であれば何100年もの年月に耐えるといわれています。
内装材についても、無垢材のフローリングは合板フローリングの何倍もの耐久性がありますし、漆喰や珪藻土の塗り壁はビニールクロスの数倍もの期間、はがれることがありません。
伐採した後にしっかりと乾燥させた木材は非常に強度が高く、自然素材の家は一般的に、コンクリート建築を上回る耐震性を備えていると言われています。また地震の際は、重い建物ほど揺れ方が大きくなるため、鉄やコンクリートに比べて軽い木材は揺れが少なくて済むのです。
ただし耐震性については、施工の技術面に左右される部分も大きいので、どのような工夫・配慮が行われているか、ハウスメーカーでしっかりと確認しましょう。
自然素材の耐火性と言って、まず心配されるのは「木材」でしょう。木材は確かに火が付きやすいのですが、しかし同時に、柱や梁に用いられるような厚みのある木材であれば「表面が焼けるだけで中身までは燃えにくい」という特徴があります。
このため、高温になると一気に折れ曲がってしまう鉄骨などと異なり強度も落ちにくく、火災に強い家であると言えるのです。壁材として用いられる漆喰や珪藻土も、耐火性に優れていることが分かっています。
洗面所などの水回りには、耐水性の高い建材を使用する必要があります。無垢材は基本的に水回りには向きませんが、比較的水に強い種類を選ぶことで、床材に用いることも可能です。
特にヒノキ系の木は、ヒノキ風呂にも利用されるほどの耐水性。壁材には、調湿性の高い漆喰が適しています。
家の中で響く生活音が気になる人や、ピアノ・ギターといった楽器をたしなみたいという人にとって、遮音性も住まいの大切な要素でしょう。遮音性は素材の密度に大きく影響されます。
自然素材の場合、通常断熱材に用いる、吸音性の高い羊毛やセルロースファイバーを壁に入れることで、しっかりとした遮音効果を発揮します。